女性は歳を重ねると、流産や染色体異常が多くなると聞きましたが、男性はどうなのでしょうか? 子どもに何か影響が出るのでしょうか?|不妊教えてねっと|あなたの妊活・不妊治療を応援!

女性は歳を重ねると、流産や染色体異常が多くなると聞きましたが、男性はどうなのでしょうか? 子どもに何か影響が出るのでしょうか?

■男性の場合、女性のように急激な変化は見られない

ご質問のように加齢によって女性の場合は卵の染色体異常や流産が増えるようになります。年齢を重ねると、からだの最少単位である細胞も年を取るので、いろいろなエラーを引き起こすようになるのです。

男性にも同じことがいえますが、男性の場合は変化のスピードが女性のように急激ではありません。女性の場合は30代後半になると、かなり妊娠率が下がり、40代に入ると、さらに低くなります。これに対し、男性は生殖機能が下がるといっても緩やかです。

また、女性の卵と男性の精子では数がまったく違います。卵は生まれたときに、すでに卵巣内にあり、それ以上数が増えることはありません。一方、精子は日々産生されるので、急激に数が減るということはありません。

■精子の質は下がっても妊娠の可能性は十分ある

ただし、男性も年齢を重ねるにつれて精子の質は落ちてくるでしょう。奇形精子が増えるなど、正常な精子は減ってくる傾向があります。ですが、元気な精子も存在しますから、あまり心配はいりません。

不妊治療では、たくさんの精子のなかから正常な精子を選んで人工授精や体外受精を行うことができます。顕微授精なら正常な精子が1個あれば妊娠は可能なのです。

■高度の乏精子症は男児に遺伝する可能性あり!?

高齢の男性が父親になった場合、生まれた子どもへの影響はないのかということでいえば、まず心配はないでしょう。

年齢というより、高度の乏精子症の場合は子どもへの遺伝が見られることがあります。睾丸から精子を採取して顕微授精をするようなケースですね。このとき、子どもが男の子の場合、父親の乏精子症が遺伝することがあるといわれています。ただし、この遺伝についてはすべてが解明されているわけではなく、現在、研究が行われています。

■夫婦の形もいろいろ。協力して治療を!

不妊治療を受ける女性の年齢は高い傾向にありますが、男性も年齢が高いかというと一概にはいえません。もちろん、男性のほうが年上というご夫婦もいらっしゃいますが、男性が年下というご夫婦も結構いらっしゃいます。そして、初めてクリニックに来院されるときはご夫婦いっしょに来られるケースがほとんどです。

妊娠と年齢、特に女性の年齢は妊娠と深く関係していますが、お子さんを望んでいるのであればご夫婦の協力は不可欠。ご夫婦で来院されることをお勧めします。

監修協力とくおかレディースクリニック 不妊カウンセラーが監修しています。