体外受精・顕微授精を行った場合、子どもに障害が出るリスクはあるのでしょうか? 主人がそのことを気にして、ステップアップの協力が得られません。|不妊教えてねっと|あなたの妊活・不妊治療を応援!

体外受精・顕微授精を行った場合、子どもに障害が出るリスクはあるのでしょうか? 主人がそのことを気にして、ステップアップの協力が得られません。

■奇形率は自然妊娠とかわらない

初めて体外受精による子どもが誕生したのが1978年イギリスでのこと、顕微授精での初めての出産は1992年ベルギーでのことでした。現在は体外受精、顕微授精で生まれた子どもが結婚・出産をする段階になっています。

もちろん、これからも経過を追う必要はあるでしょうが、現在のところ、自然妊娠・出産で発生する奇形率と体外受精・顕微授精で生まれた子どもの奇形率はかわらないといわれています。

■今後も経過を追う必要はあるけれど...

ただ1点だけ、顕微授精をした場合に父親由来の異常が子どもにも継承されることがあるといわれています。この異常とは男児に継承されるのですが、父親と同じように精子が少ない(乏精子症)、精子の奇形率が高い(精子奇形症)、精子の運動率が悪い(精子無力症)というものです。

重度の乏精子症や精子奇形症、精子無力症では顕微授精でないと妊娠が難しいため、顕微授精が実施される前は異常が遺伝することはありませんでした。

ただし、現時点で十分に統計が取れているとはいえません。何世代にもわたって精子の状態をチェックしてデータを取っていけばわかってくるでしょうが、現状、日本で何世代にもわたって経過を追うのは難しいでしょう。

ですから、海外の文献なども照らし合わせながら参考にしていくしかないでしょう。

■待っていたら妊娠の機会を失いかねない

とはいえ、体外受精や顕微授精の影響についてデータの蓄積を待っている間に妊娠の可能性を逃してしまうかもしれません。妊娠にはタイムリミットがありますからね。20年後に安全だとわかったとしても、そのときには妊娠は望めない状態だったら......。

ですから、ご夫婦でよく相談されてください。

まだ不明な点もあるけれど、今、子どもがほしいから体外受精あるいは顕微授精を選択するのか。不安があるので体外受精はしない。仮に子どもを授からなくても夫婦ふたりでやっていくのか。

どちらが良い、悪いということはありません。これはご夫婦にしか決められないこと。よく話合いおふたりで納得できる選択をしてください。

監修協力とくおかレディースクリニック 不妊カウンセラーが監修しています。