人工授精をする際に、調整前と調整後で精子の数が減っていました。大丈夫なのでしょうか?|不妊教えてねっと|あなたの妊活・不妊治療を応援!

人工授精をする際に、調整前と調整後で精子の数が減っていました。大丈夫なのでしょうか?

■良好な精子を抽出するので精子数が減るのは自然なこと

調整前と調整後で精子の数が減るのは自然なことです。人工授精をする際にどうして精子の調整をするのかというと、精液中で死滅している精子や運動率の悪い精子を取り除き、良好な精子を抽出するためです。

平均的に精液量は2.5~3㏄あって、1㏄に数千万個の精子が含まれています。そのうち運動している精子は40~50%程度。この40~50%程度の精子を抽出するのです。

ですから、もともと精子の数が少なければ、調整をすることで精子数はとても少なくなってしまいます。

■数は減っても自然な状態より多くの精子を注入している

調整をすれば精子数は減ります。ただし、精子の数が減ったからといって心配する必要はありません。

自然に性交渉をした場合、卵管までたどりつく精子はだいたい500個~2000個程度といわれています。とても少ないわけです。いくら調整後といっても人工授精で注入する精子のほうが圧倒的に多いのです。

自然に性交渉したときよりも多くの精子を子宮の奥のほうに注入している。それも運動率の悪い精子は取り除いた良好な精子です。注入するのは0.5㏄程度ですが、洗浄濃縮した精液になります。

■妊娠率は高くはないけれど、自然妊娠よりは高確率

洗浄濃縮した精子を用いるからといって、人工授精で100%妊娠するとはいえません。人工授精による妊娠率は1回あたり8~10%程度です。回数を重ねても妊娠率は高くならず、むしろ低くなっていくので、3~5回程度人工授精をしても妊娠しない場合は体外受精など他の治療を検討するといいでしょう。

このように人工授精の妊娠率は決して高くありませんが、自然に性交渉するよりも妊娠の確率は上がります。洗浄濃縮した良好な精子を子宮の奥に注入して妊娠をサポートすることで、人工授精の役割は果たせているといえるでしょう。

監修協力とくおかレディースクリニック 不妊カウンセラーが監修しています。