精液中に精子がおらず無精子とわかりました。原因は何でしょうか? また、治療方法はありますか? |不妊教えてねっと|あなたの妊活・不妊治療を応援!

精液中に精子がおらず無精子とわかりました。原因は何でしょうか? また、治療方法はありますか?

■無精子症には非閉塞性と閉塞性があります

無精子症の原因は2つにわかれます。

まず、精子の産生が悪くて出てこない場合と、精子は産生されているのだけれど精子の通り道である精管が詰まっているために精子が出てこられないケースがあります。前者のタイプが非閉塞性無精子症、後者のタイプが閉塞性無精子症です。

非閉塞性無精子症は精子をつくる機能が落ちていて精子が出てこない状態ですが、その原因として考えられるのが染色体異常です。たとえば性染色体のX染色体が通常より多いクラインフェルター症候群が挙げられます。静脈瘤の場合も、精子の産生に問題は起きますが、数が少なくなることはあっても、無精子という状態にはならないはずです。

あとは停留精巣(停留睾丸)も無精子症の原因になります。出生前に精巣がおりてこず、正常な位置(陰嚢内)に精巣がない状態で、精巣の発育が悪くなり、結果、無精子症になってしまうことがあるのです。このほか、原因不明のケースもあります。

非閉塞性無精子症の場合、薬物療法をすることもありますが、薬を使っても大幅に精子が増えることはありません。少し増えたかな程度なので、精巣などに精子があれば、そこから精子を採取して顕微授精をします。

■精巣などから精子を採取して顕微授精をします

一方、閉塞性無精子症は何らかの原因により精管がつまっているわけですが、多いのは感染症です。たとえば淋菌とかクラミジアなどが挙げられます。

精子はつくられているけれど、射精できない状態ですが、手術をして精子の通り道をつくる方法(精路再建手術)よりも、精巣や精巣上体から精子を採取して顕微授精をするTESEやPESAなどを行うことが多いです。

無精子症の場合、根本的な治療をするというよりも、精巣などに精子が存在すれば、精子を採取して顕微授精をするのが一般的といえます。

もし、精子がまったくないということであれば、第三者の精子をもらって受精する方法(非配偶者間人工授精:AID)があります。以前は他人の精子で体外受精をすることは認められていませんでしたが、今は学会でも認められるようになってきました。

監修協力とくおかレディースクリニック 不妊カウンセラーが監修しています。